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30万円未満の減価償却資産を購入して所定の要件を満たせば、その取得価額全額を損金(経費)に計上する事が出来る場合があります

 

事業をしていると、色々と事業資金の支出があります。

 

その中で、比較的金額が高額になるものとして、設備や車両、備品等といった固定資産の購入に対しての支出です。

 

高額であると、

 

「購入した年度で全額損金として落とせない」

 

「長い期間で減価償却費として損金にしなければならない」

 

といった事を考える事があります。

 

固定資産と呼ばれるものであれば、短期間でなく、今後数年かから数十年使用していく事になります。

 

そして、この使用していく期間を合法的に見積もって毎年損金として計上していく金額を算出します。

 

ところで、この高額な固定資産の購入のうちには、条件を満たせば、この取得価額全額を損金として計上する事が出来ます。

 

そこで、今回は、法人に限定しての投稿とさせて頂きますが、この概要についてご案内致します。

適用要件について

 この制度の適用を受けられるのは、「中小企業者等」に限定され、

 

「取得価額が30万円未満の減価償却資産」を

 

事業の用に供した場合に、

 

一定の要件に該当すれば、

 

その取得価額に相当する金額を損金の額に算入する事が出来ます。

中小企業者等とは

中小企業者等には、どのような法人が該当するのかというと、

 

青色申告としている法人である中小企業者又は農業協同組合等

 

であり、

 

常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

が該当します。

中小企業者とは

 

すると、中小企業者とはどのような法人が該当するのかをみていく必要があり、次の法人が該当します。

※平成31年4月1日以後に開始する事業年度について該当する分の記載になります。

 

1、次のイ及びロの法人「以外」で、資本金又は出資金の額が1億円以下の法人

(1) その発行済株式又は出資(自己の株式又は出資を除きます。以下同じです。)の総数又は総額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されている法人

(2) 上記イのほか、その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を複数の大規模法人に所有されている法人

 

ここで、さらに、「大規模法人」という表現が出てきましたが、どのような法人なのかというと、中小企業投資育成株式会社を除き、次の法人をいいます。

 

① 資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人

 

② 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人

 

③ 大法人との間にその大法人による完全支配関係がある法人

 

④ 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有されている法人((3)に該当する法人を除きます。)

 

今度は、「大法人」という表現が出てきましたが、次に掲げる法人をいいます。

() 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人

() 相互会社及び外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人

() 受託法人

 

(3) 受託法人

 

2、資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人を除きます。)

 

また、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)に該当するものは除かれるので、注意が必要です。

 

 

その他にも該当していくのかをみていく必要がありますが、どの法人でもこの制度を受けられるというわけではないというのをおさえましょう。 

特例の対象となる減価償却資産について

先述したように、特例の適用が受けられるのは、取得価額が「30万円未満」の減価償却資産です。

 

これは、いわゆる「少額減価償却資産」と呼ばれています。

 

しかし、この少額減価償却資産に該当すれば、無制限に損金に計上出来るのかというとそういうわけではなく、

 

「適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円」

 

に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

 

これは、どういう事かというと、

 

例えば、平成3141日から令和2331日までの事業年度中に取得価額が29万円の減価償却資産を11個購入したとします。

 

その場合、取得価額の合計金額は、

 

29万円×11個=319万円

 

となります。

 

すると、

 

「適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円」

 

とありますので、319万円であれば、300万円を超えてしまいます。

 

300万円までが限度なので、他に少額減価償却資産の購入がなく、この制度を可能な限り受けるのであれば、このうち10個分だけを受ける事になります。

 

つまり、

 

29万円×10個=290万円

 

を少額減価償却資産の取得価額の合計額として損金に計上し、

 

残りの

 

29万円×1個=29万円は、この特例ではなく、通常どおりの減価償却として計算するのです。

留意事項について

この制度は、いわゆる「特例」という形になります。

 

そのため、この特例の適用を受けるには、次の留意事項があります。

 

1、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に所定の事項を記載した一定の書類を添付して申告することが必要です。

 

2、この特例の適用を受ける資産については、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用はできない事になっています。

 

3、取得価額が10万円未満のもの又は一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。

 

4、その他にも所定の事項がありますので、法令の確認や実際の少額減価償却資産の事業供用時期等の状況をチェックして、この制度の適用を受けられるのかをみていく必要があります。

令和2年度の税制改正により一部変更となりました

次の内容が令和2年度税制改正で公表されいます。

(上記同様、今回は法人に関する案内です)

 

1、この特例の適用期限が2年間延長されました。

 

2、特例の適用対象となる法人が、次のとおり見直されました。

 

(1)対象法人から連結法人を除外する。

 

(2)対象法人の要件のうち常時使用する従業員の数の要件を 500 人以下(現行:1,000 人以下)に引き下げる。

まとめ

比較的高額な減価償却資産を購入した場合には、固定資産の今後の管理や、購入年度の納税額を考えて、出来る限り早めに損金を多く計上したいと考え、この特例制度の適用を検討する場合があります。

 

しかし、この制度は、「特例」という位置づけでもありますので、通常の減価償却等の取扱いや特例の適用条件を満たしているのか、その後の確定申告を適正にしているのか等をきちんと確認するようにしましょう。

  

 

そして、不明点等ありましたら、税理士等の専門家や所轄の税務署にお問い合わせをするようにしましょう。