会社や個人事業主が保有する車両は、定期的な車検を受けなければ公道を走行できません。
この車検では「税金・保険・手数料・整備代」など複数の費用が発生しますが、経理処理においてはそれぞれの消費税区分を正確に見極めることが大切です。
車検費用の内訳と消費税区分の考え方
車検で支払う費用は、大きく次の3つに分けられます。
-
法定費用(税金・行政手数料など)
自動車重量税、印紙代といった税金は「不課税」、
自賠責保険料や検査登録手数料、情報技術管理手数料は「非課税」となります。 -
整備・部品・修理費用
整備工場やディーラーによる修理・点検・部品交換などは「課税取引」です。 -
代行・付帯サービス費用
車検手続きの代行料や洗車・代車などのサービスは「課税取引」に該当します。
このように、車検費用には「課税」「非課税」「不課税」が混在しています。
経理処理では、請求書や領収書の内訳を確認し、正確に区分することが求められます。
よくある誤りと注意点
請求書に「車検費用一式」とだけ記載されている場合、
法定費用(非課税・不課税)と整備費用(課税)が混在している場合があります。
この場合、業者から内訳が分かる資料を入手し、支払内容や消費税区分を明確にしてから仕訳することが重要です。
また、「不課税」と「非課税」は似ていますが、意味が異なります。
-
不課税:消費税の課税対象外(例:税金、印紙代)
-
非課税:法律で非課税を定めている(例:保険料、行政手数料)
この区分を誤ると、消費税申告計算に誤りが出る場合があります。
税理士としての視点
車検費用は少額でも、会社全体では台数分だけ積み重なるため、経理処理の精度を上げることで決算書や消費税申告の正確性が高まります。
特に、会計ソフトの自動仕訳設定を活用しても、法定費用部分の勘定科目や消費税区分が誤っている場合があります。
経理担当者は、毎回の車検時に請求明細を確認し、勘定科目の把握や課税・非課税・不課税を適切に区分する運用を整えておくと安心です。
🔗 関連リンク
→ 詳しくは弊所記事「車検でかかる費用の勘定科目・消費税区分は?経理担当者が押さえる実務知識」をご覧ください。