経営を拡大するため、または、経営の効率化を図るため等で、複数の会社を一つのグループ企業として事業をおこなう場合がありますが、この場合には、どのように数値を管理したら良いのでしょうか。
数値の管理の仕方により、今後の経営戦略の練り直しが必要となったり、予算の見直しをしなければならなかったり、営業・マーケティング活動の方針転換を決断しなければならないかもしれません。
今迄は、自社1社だけの経営数値を管理していれば良かったところ、グループ全体の経営数値をチェックしなければならなくなった場合には、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。
今回は、2回にわたって、グループ企業の数値管理について、分かり易く説明してまいります。
そこで、
例えば、親会社A社と子会社B社があり、A社がB社の発行済み株式の100%を所有していると仮定した場合に、ABグループの損益はどのようになるのでしょうか。
親会社A社の損益は、
グループ外への売上高:20億円
グループ会社B社への内部売上高:8億円
売上高計:28億円
グループ外からの仕入高:8億円
A社単体での粗利益(売上総利益):20億円(28億円―8億円)
子会社Bの損益は、
グループ外への売上高:10億円
グループ外からの仕入高:1億円
グループ会社A社からの仕入高:8億円
仕入高計:9億円
B社単体での粗利益(売上総利益):1億円(10億円―9億円)
となり、
グループ全体の損益を把握するために、単純に上記のA社とB社との合計で見ると、
売上高:38億円(A社28億円+B社10億円)
仕入高:17億円(A社8億円+B社9億円)
粗利益(売上総利益):21億円(38億円―17億円)
数値で見ると、グループ全体の損益は上記のように見えますが、はたしてこれで良いのでしょうか。
答えは、次回お知らせ致します。